結論:せどりは儲からないから止めなさい!!
わたしは2015年に副業でせどりを始め、過去に最高月商300万円、最高年商2,000万円を記録した、現在Amazonを販路とした専業転売ヤーです。
(以下Amazonでの転売を前提に説明しています。)
この数字だけ見たら、もしかしたら「個人でこれだけ売れるのか?」と思うかもしれません。
事実、外注なども使いましたが基本一人で完結し、倉庫などなくても自宅で行えます。なぜなら、AmazonのFBAという「発送業務や受注業務を依頼する」という素晴らしい仕組みがあるためです。
しかし、その便利なシステムゆえに、現在はせどらーがそこら中にあふれています。
それにより、
- 価格競争の激化による消もう戦
- 消費税増税による利益の圧迫
- 送料の値上げ
- Amazon販売規制の強化
- マスク転売などの世間からの冷たい視線
- チケット転売
こういった問題が発生、表面化してきました。
これらは全て転売ヤーが原因ではないかもしれませんが、一部、社会現象にまでなった問題行為もあります。
【せどり(転売)=悪】のイメージ
が、以前より強くなったのではないでしょうか。
ですが、せどり(転売ヤー)人口が増えて喜ぶ人もいます。それは、転売のノウハウや教材を販売する『情報発信者』と呼ばれる人たちです。
そんな情報発信者が「せどりは儲かる!」「せどりで独立して会社にしばられない毎日を!」そんな夢を見るようなフレーズでせどり行為の普及やノウハウを伝え、より一層せどらーが増えているのが、現在のせどり業界です。
なぜせどりでは稼げないのか??
先ほど年間売上2,000万円と言いましたが、売上を上げることに関しては、Amazonを使うと実はそんなに難しいことではありません。
- Amazonプラットフォームという絶大なる集客力
- FBAという個人でも月数百万円売れる仕組み
- 仕入れを小売り店から「クレジットカード仕入れ」
こういった仕組みやテクニック(?)を使うことにより、仕入れ代金の返済(クレジットカード支払い)をしのげ続けば売り上げは上がっていきます。
ですが、せどりを何年もやってて「儲かっているかわからない」という話はよく聞きますし、自分も長い間理解しないまま進めてしまいました。
例を出すと、ニュースなどで「黒字倒産」って言葉を聞いたことあると思います。
【黒字倒産の例】
帳簿の上では利益が出ているが、手元にキャッシュ(現金)がない
→仕入れや借り入れの返済ができない
→倒産
ざっくりとこんな感じですが、まさに「儲かっているかわからない状態」だと言えるでしょう。ただ、通常の赤字倒産よりも問題に気付きにくく、問題が発覚した時にはすでに手遅れ・・・こういったケースが少なくなく、
『勝っているか負けているかわからないまま辞めざるをえなくなった』
こういう言い方もできるのではないでしょうか。
このように、一般企業という「プロの土俵」で戦っている人たちでさえ、儲かっているかどうかの基準を見誤って失敗してしまいます。
そのため経営や商売の素人の転売ヤーが成功する確率が、いかに低いかがお分かりいただけると思います。
その証拠に、90%以上のせどらーが2年以内に転売を辞めるとも言われています。
そして、また別の新たな転売ヤーが生まれて歴史はくり返されます。
「売上」「利益」「手元のキャッシュ」という見えない罠
ではなぜ、いわゆる転売ヤ―が『儲からないのか』を考えてみました。
その一番の原因が、先ほどお伝えした『商売や経済の知識や経験もないのに、安易に飛び込んでしまう』点がネックになります。
例えば、スポーツを始める時や、絵をかいたり楽器を演奏する際には、まずは基礎をみっちりと練習します。将来的に伸び悩むことがないように、まずはきっちりとした『型』が必要になります。
でも、せどりの場合、
- 「モノレートをしっかり見ましょう!(価格推移を見れるモノレートは現在廃止になっています)」
- 「現在は中古品がアツいです!」
- 「ポイントで稼ぎましょう!」
- 「〇〇というツールが稼げますよ!」
教えてくれるのはこの程度です 笑。
まぁ、教えてくれる先輩せどらーも、もともとは商売の素人がほとんどのため、無理もないのですが。
そして、たまたまうまく行ったり、コツをつかんだ先輩せどらーが、その後もっと儲かる「情報発信」へとシフトします。そして、売上を武器にせどらー初心者へ転売を教え、カモにして儲けています。
これが転売ヤーのサクセスストーリーです。
大きな売り上げを自慢している先輩せどらーが「せどりをやらなくなる」のも、単純に儲からないから。物販は仕入れコストや様々な手数料、値下がりリスクが発生しますが、反対に情報発信は経費や手数料がほとんどかかりません。
まぁ、情報発信をしている人が「せどりは実は儲からないんだよ・・・。」なんて言ったら、生徒さんを集めたり、教材が売れませんからね。
せどらーとして有名な人も台所事情としては、そんなに儲かってないはず。
儲けている人は情報発信などの利益が多いためだと考えています。
5年前からAmazon転売を振りかえって
自分がAmazon転売を始めた頃と比べて、様子がかなり変わってきました。
一応IT関連??なので、変化が激しいのは仕方がないのかもしれません。
昔は、今よりかなりゆるかったな~って感じますね。結構パッケージボロボロの商品を新品で販売したり 笑。あとメーカーの規制や出品ジャンルや商品の規制も少なかったように記憶しています。つまり、副業で個人が転売する販路としては最適だった。
でも、最近昔と違う点を一番強く感じるのは、Amazonから販売者への『淘汰(個人の転売ヤー排除)』の傾向が強くなったことです。
まぁ、Amazonとしても今までは個人レベルの転売ヤーで手数料を稼いでいましたが、お客さんからのクレームも結構あったんだと思います。「Amazonで買ったらボロボロの新品が届いた!」という書き込みも見ますし。
あと一問題になった、「中国業者によるニセモノ販売」も影響しているのかもしれませんね。
その証拠に、近年、家電製品の出品に卸業者やメーカーの販売許可が必要な商品が増えてきました。おそらく、『脱・転売ヤー』にAmazonが本格的に動き出したのだと確信しています。
また、せどらーが愛用していた「モノレート」が、Amazonの圧力により廃止となったのも記憶に新しいと思います。
『もう転売ヤーはウチにはいらん!!(Amazon談)』という発表を聞いて、多くのせどらーが途方に暮れる日も近いのかもしれません。
それでも転売をしたい方へ(1)日頃から家計簿つけてますか?
それでも、「どうしても転売をして脱社畜したい!!」という方もいると思います。
自分もその気持ち、ものすごくわかります。
私は会社を辞めたのを後悔してはいませんが、せどりでの専業化は他人にはおすすめしません。
もし、どうしてもせどりを始めるなら、絶対に副業で続けましょう。
そして毎月収支状況を管理しましょう。
できれば毎日の仕入れや売上も管理するのがベストですが、副業だと時間の余裕がないと思います。だから最低でも毎月管理し、状況を把握する。
売り上げや利益に関してはAmazonの販売者用ページ「セラーセントラル」に行けば確認ができますが、面倒なため「価格を調整する外部ツール」などを導入して集計するのがオススメです(後で紹介しています)。
そして確定申告が必要な年商(売上基準)にすぐ到達すると思うので、確定申告をきちんとしましょう。そして、もし売り上げが出て「独立するかどうか」迷ったら、できればネット関連に強い『税理士』に相談しましょう。
決して怪しい情報発信者に「専業になれますか?」って相談したらダメですよ 笑。
あくまで日頃からお金を扱うプロに、客観的な視点で意見を求めるべきです。
もし、自分で税理士が見つけられない場合は、お住いの地域の『税理士会』や『商工会議所』を利用するという手があります。
ちなみに商工会議所は良くも悪くもいろいろな意見があり、自分も最初は不安でした。
しかし、昨年初めて自分で確定申告(青色申告65万控除)を行った際、親身になって相談や確認、作成まで行ってもらいました。
加入費用も地域によって変わるようですが、自分の場合は年会費6,000円くらいだったので、年末の確定申告相談で十分元を取れます。
その他にも経営面での相談に乗ってもらったりできるので、個人的にはオススメですね。
ちょっと脱線しましたが・・・。
つまり、『規模が大きくなるにつれて脱線のリスクも大きくなるので、早いうちから第三者目線の意見を聞こう』と言いたかったんです。
自分でやっていると、自身の悪い点って気づきにくいですからね。
家計簿や記帳管理はGoogleの『スプレッドシート』を個人的に利用しています。
PC、スマホで簡単に共有ができますし、スマホからプリントも可能なので重宝しています。
その他、家計簿管理なども数多く出ているので、自身で使いやすいものを探してるのもいいですね。
それでも転売をしたい方へ(2)「こういう仕入れ先・商品がおすすめ」
仕入れた時に利益商品でも、販売時には人が群がり赤字で泣く泣く販売・・・。
そんなことが日常的に起こるのがAmazon転売です。
これは、「需要と供給のバランスが逆転する」ことにあります。
つまり、
【仕入れた時】
・需要(欲しい)>供給(売ります)→高値で販売可能(儲かる)
だけど、販売する時には
↓
【販売時】
・需要(欲しい)<供給(売ります)→売れない→価格競争→赤字販売(儲からない!!)
こうなることが日常的に起こってしまいます。
だから、儲ける(価格競争になりにくい)ためのポイントとしては、『供給(売り手)が増えにくい商品を扱う』を扱いましょう。
例えば、
(1)誰もが仕入れられない「参入障壁のある商品」
(2)1点もの
(3)廃盤など供給量が限られた商品
こういった商品を扱いましょう。以下少し説明していきます。
(1)誰もが仕入れられない「参入障壁のある商品」
例えば、販売するのに免許が必要(お酒やコメ)、ヨーロッパなど遠方からの輸入品、展示会などに足を運び、商談をして専売許可をもらう商材などを扱うことです。
一見すると「うぁ、面倒くさい・・・」そういうジャンルや商品にあえて飛び込むということです。『人がやらないことが儲かる』とはよく言いますが、まさにその通りです。
間違っても楽天やヤフーショッピングで仕入れてお気楽転売・・・とか楽することばかり考えちゃだめです 笑。結構痛い目をみます。
(2)1点もの
この世に1点しかないものと言えるのが『中古品』です。
厳密には同じ商品厳密はありますが、状態が異なるので1点ものだと言えます。
相場はありますが自由に価格を設定できて、販売には写真撮影や欲しくなる商品説明文など、テクニックやセンスが必要なため、中古品も参入障壁があると言えます。
また、リペア(修理や補修)のスキルがあると高額での転売も可能です。
中古品転売の傾向としては、回転利益率が高いですが、高利益が期待でるので、手先の器用な方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
ちなみに、中古品を本腰入れて販売するなら、「古物商許可証」が必要になります。費用は3万円前後、お住いの警察署へ申請します。手続きは簡単で、取扱品目や住所などの個人情報を登録、費用の支払いをするだけです。
余談ですが、将来的に国民金融公庫や銀行へ融資相談をする際は、この「古物商許可証」がけっこういい働きしてくれます(融資が通りやすくなる!)。ネット転売系の数少ない資格証だからかもしれませんね。
個人的には本腰入れて転売をする場合は古物商の取得をおすすめします。
(3)廃盤など供給量が限られた商品
個人的にはこの(3)の「廃盤」を扱う(メインで販売する)のを一番すすめます。
なぜなら、(1)、(2)は非常に面倒くさいから 笑。
廃盤商品を調べる簡単でお手軽な方法としては、まず「お住いの小売店」へ行きます。ホームセンターや家電などあるディスカウントストアがわかりやすいでしょう。
そして、何かしら安売り(30%OFF、半額など)の割引率が高いポップの付いている商品を探します。
その価格がAmazonで販売しても利益が残りそうならもちろん仕入れ対象になりますが、そこで終わったらもったいない。その商品の周辺をよく観察してください。
- 他の商品と違う値札が貼られていませんか?
- 特殊なシール(●など)を貼っていませんか?
- 色分けなどしていませんか?
この値引き商品は、店舗として【早く売り切りたい廃盤商品】である可能性が高いです。なぜなら、その後新商品を販売するための売り場を確保したいと共に、同じような新旧商品を販売してしまうと、新商品の露出が減って新商品の売上が減る可能性があるためです。
つまりは、こういった商品を探して行けば、「値下がりリスクの少ない廃盤商品だけ仕入れる」ことも可能です。
中には「生産中止のため値下げ!」とか、親切に書いてある場合も 笑。
店側としても商品管理のため、わかるように印を付けていることが多いので、よく観察しましょう。
ネットでは親切に印などはつけていないので、店舗で見つけてネットで調べる方が断然効率的に廃盤商品を見つけることができます。
ただ、全国的にまだ在庫が残っている場合もありますし、ただのセール品との見分けも必要な場合があるのでリスクはゼロではありませんが、「基本的に供給量の限られた商品を狙う」もし、今から始める場合はこれを頭に入れておいてください。
それでも転売をしたい方へ(3)狙うべき商品ジャンル
ただ、「廃盤商品を狙え」と言われても、漠然とし過ぎて参考にならないかもしれません。そこで、私がこれまで狙ってきた『廃盤商品として狙いやすい商品ジャンル』について説明します。
特にせどり初心者の方には参考になると思いますよ。
メジャー大手メーカーの廃盤人気商品が狙い目!
- 家電製品...パナソニックなど
- 弁当箱や水筒...サーモスなど
- 液体洗剤、シャンプーなど...花王など
これらの中でも、定期的にモデルチェンジがされる定番商品がオススメです。
『今まで愛用してきて、新商品が出たみたい。』
『でも、新しい商品よりも使い慣れた旧商品を引き続き使いたいなぁ。』
お客さんとしてはこういった心理になり、「少し値段は高いけど、旧商品が身近位にないからAmazonで買おう」となります。
また、上記メーカーにこだわらず、【廃盤】や【値下げ(早くさばきたい)】商品があれば、積極的にリサーチするべきです。経験上思わぬお宝に出会えた事が多かったので、早く気付いていれば・・・と思いましたね。
それでも転売をしたい方へ(4)ツールはこの2つだけでOK!!
よく「せどりのツールは何が良いのか??」という話題が上がりますが、私の場合はこの2つだけで十分でした。
- Amazonセラーアプリ(スマホ用)-無料
- マカド(価格改定・収支管理ツール)-有料(月額:約5,000円→実質約3,000円)
以前はバーコードリーダーなども使っていましたが、赤いビームが出るので結構目立ちます。そのため店の人に注意されて、以来使っていません 笑。
・Amazonセラーアプリ
店舗がメインのせどらーなので、商品をスマホの「Amazonセラーアプリ」のカメラで商品情報を読み取り、確認します。
自動で手数料など引いた利益計算ができるので便利です。
・マカド
主な機能はAmazonで売り上げ増のため「カート価格」に自動で合わせてくれるツールで、特に新品販売の場合は必須といってもいいです。
Amazonは集客力が絶大ですが、実は新品はカートに入らないとほとんど売れません。
それほどカート取得が売り上げに直結するのですが、そのカートに入るための価格調整を行ってくれます。使ってみたらわかりますが、当然売り上げも変わってきます。
また、近年せどらーが愛用していた「モノレート(価格変動を確認するサイト)」閉鎖されました。その代替ツールとして「KEEPA」が取り上げられていますが、有料のため毎月2,000円近く費用が余分に必要になりました。
しかし、このマカドは最近この「KEEPA」に近い機能が追加したため。個人的にはモノレートの代わりになると感じています。つまり、実質約3,000円で利用できるという計算です。
もちろん、スマホからも利用できるので、店舗仕入れでも電脳(ネット)仕入れのどちらでも利用可能です。
→マカド
初めての方は30日の無料期間があり、いつでも解約可能です。
以上、この2点があれば何とかなります。
余分な経費は極力削り、将来他のビジネスなどの貯蓄に回しましょう!
まとめ:【結論】やるなら短期集中!目的意識を持って!!
長々と解説しましたが、いかがだったでしょうか?
結論としては、個人でお金を稼ぐ感覚を理解したり、商売の流れや売り方を勉強するにはすごく良い場だと思います。実際のお金を使うので、必死になって勉強するでしょうし。
でも、これで生涯の仕事にするかどうかは別。
その証拠に、先輩方はさっさと他のビジネスや情報発信にシフトしていますし、ケガや病気で動けなくなると収入が途絶えます。
だから、自分のように5年も転売ヤーをやっててはいけません 笑。
自分は最初、格差のある商品を見つけたり、仕入れ目的で県外に遠出するのがすごく楽しくのめり込んでいきました。
でも、多くの転売ヤーが辞めていくには、それなりの訳があります。
もし、これから始める、また経験が浅いと思っている方は、お金を含めた自己管理をしっかりと行ってください。そして、転売ヤーでの活動を活かし、次の段階へとステップアップして行ってください。
気がついたら「あの時転売していたな~」と懐かしく振り返ることのできる日がくるはずです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
あなたの成功を心より願っています。